海と劇場、ときどき本棚

2018年の7月に爆誕した何をするのかを模索しつづける会社「ひとにまかせて」代表のブログです

ただの海

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昨日は友人に誘われて小型ボートで東京の川を巡ったあとで、島根から来た役者さんの一人芝居を見に行きました。

 

偶然が続いた日でした。

 

川巡りは5人で行ったのですが、呼びかけ人の友人以外はバラバラのところから集まっていました。

朝、会って挨拶をしたら、その中のひとりは14年前にぼくが企画した西伊豆を回るイベントに参加してくれた人でした。

 

そして夜、お芝居が終わった後で出演者とお客さん何人かで話をしていて。
そこで知り合った人とfacebookでつながったところ、ぼくのプロフィール写真を見たことがあると言われました。
先日企画した「海と物語#001」はあちこちに情報を投げていたのですが、その投稿を偶然目にしてくれたみたいです。

偶然ってすごいね。

イベントはやるもんだね。

プロフィール画像は目立つほうがいいね。

 

冒頭の写真は14年前の西伊豆で立ち寄った、豪華客船「スカンジナビア」を海に浮かべたままで営業していたレストラン。

建造から80年ほど経った古い船でしたが、美しい船でした。


しかしこの写真の一年後に経営不振からクローズ。
船はスウェーデンの企業に売却が決まり、修理のために上海へ曳航される途中、和歌山県の潮岬沖で沈没しました。

 

ちなみにその沈没現場がここ。

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なんだかわかりませんね。
ちなみに海図で見るとここ。

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だからなんだって感じですね。

 

陸を旅すると、いろんなランドマークや観光スポットがあるじゃないですか。

寺社とか古木とか城址とか。景色のいい山や丘には展望台があるし。

歴史や文化と関わるポイントがわかりやすいですよね。

 

海の旅でも陸の風景は気になります。

でもそれは、あくまで安全に海を走るための技術なんですよね。

航海しながら楽しめるランドマークって少ない気がします。

まあ橋とか渦潮とかないことはないんですけど。

引きが弱いのかな。

 

ちなみに、瀬戸内海で訪れた日本史の超有名人、坂本龍馬にまつわるランドマーク。

龍馬が率いた海援隊所属の機帆船「いろは丸」が紀州藩の船とぶつかって沈没した現場がこちらです。

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……多分。

 

写っているブイはいろは丸の沈没地点を示すものではなく、普通の航路ブイです。

ていうか沈没地点のそばを通ったはずなんですがあんまり覚えてないんですよね。

で、その日撮った写真のなかに、何を撮ったのかわからないのが一枚あったので多分これじゃないかと……

 

歴史的な事件が起こった場所といってもただの海だもんなあ。

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帆船ロマン主義!?

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Twitterを見ていたら、先日イベントで利用させていただいた帆船「みらいへ」についてこんなツイートがありました。

「みらいへは帆船なのにバウスラスターがある」

そもそも、バウスラスターってなに?と思われた方も多いかと思います。
これです。

 

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……余計にわからないですよね……

 

バウスラスターは船の船首を横移動させる機械です。

船の水面下に横向きのトンネル状のスペースを作り、その中にスクリューを組み込みます。

するとスクリューの回転方向を変えることで船を横移動させることができるようになるのです。

最近ではほとんどの船についている機構です。

 

いつ頃から使われるようになったのか調べたのですがちょっとはっきりしません。
少なくとも1950年代からは普通に使われていたようです。

それはそれとして、先のツイートを見て思ったのは、

「帆船にバウスラスターがついてるといかんのか?」


これまでそこそこの数の帆船に乗ったり見たりしてきたけど、バウスラスターはついてるのもあるしついてないのもありました。

 

クラシックな雰囲気を大事にしてつけてない船もあるようです。

船員訓練の船だから操作を簡単にしすぎないようにつけてない船もあるかもしれません。

 

ついていたほうが圧倒的に便利だけど、作られた目的とか、運用の仕方とかいろいろ考えて、つけたりつけなかったりしてるようです。

 

ちなみに、2017年就航の新しい帆船、インドネシア海軍のBIMA SUCIの写真があったので確認してみました。

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近くで撮った写真を見ると

 

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ついてた!
矢印の先にある丸にXのマークはこの下にバウスラスターがあるという印です。

 

帆船というとどことなくロマンを掻き立てるものがあるようですが、現実はそんなもんですなあ。

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いちばんうれしかったのは

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11月3,4日で、帆船みらいへを借り切った一泊二日の航海を企画しました。

いいなあと思う瞬間はたくさんあったのですが、そのなかで、地味だけど一番うれしかったのは、2日目の最後。

午前中にセイルを張って、その後は室内でのプログラム。
下船時間が迫ってセイルを畳むためにデッキに出たら雨。

 

なのに全員が「ああ、雨だねー」みたいな感じで普通にデッキに集まって雨に濡れながら作業をしたこと。
雨を嫌がるわけでもなく、無理にテンションを上げるでもなく。
ごく普通に、セイルをたたみ、マストに登ってセイルをロープで固定していく。

誰かから与えられるプログラムを消費するのでなく、自分たちで船を動かす実感を持ってもらいたくて。
一泊二日だと時間が足りないのはわかっていたけど、できるだけそうなって欲しいと思っていた。

うん。狙いどおり。
ちょっとだけうれしい。

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