海と劇場、ときどき本棚

2018年の7月に爆誕した何をするのかを模索しつづける会社「ひとにまかせて」代表のブログです

小さな奇跡のその後で

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とまあ、3年前にひとつ前のポストで書いた小さな奇跡があったのですが、本当に大切なのは奇跡の後をどう過ごすかなんじゃないかと思うのです。
物語のように、奇跡が起こって幕が降りるなら幸せなのですが、現実はそんなことはなくて。

ひとたび奇跡が訪れたとしても、現実との戦いはそれからもずっと続くのですし。

奇跡の当事者、劇団ハタチ族の西藤将人さんはいま、全国47都道府県+島根県19市町村ワンマンツアーというひとり芝居のツアーを実行中です。

2015年の大晦日の後もいろいろなことがあって。

東京公演の舞台は北池袋の小さなシェアアトリエ。

お客さんは10人。

 

でも、もっと小さな場所で演じたこともあるし、もっとお客さんが少なかったこともあったとか。

それが彼のいまの位置。

 

公演が終わってから他のお客さんも交えていろいろな話をしました。

3年前と彼のお芝居はかなり変わっていて。

とても心地よいほうに。

 

3年前の彼はぼくにとって、ただ365日毎日公演をやりとげた劇団の主宰者というだけでした。

それだけでもとてつもなくすごいことなんですけどね。

でももっとすごいのはそこで終わらなかったこと。

 

久しぶりに彼の芝居を観て、話をして。

彼がとても自分に真摯にこの3年間を過ごしてきたのだと感じました。

 

自身の俳優としての価値も上げつつ、「雲南市に演劇テーマパークを作る」という戯言も語り続けて。

俳優としては凡庸だと感じていました。

演劇テーマパークはスローガンとしては面白いけど内容はふわっとしていてよくわからないと思っていました。

 

でもね。ちゃんとステップを上がっていたんです。

小さな奇跡のその後で。

俳優としてもとても魅力的になったし。 

彼が作ろうとしている未来にも心が震えるし。

 

小さな奇跡はどんな人にもときたま訪れる。

当事者だったり、観客だったり。 

いろんな立場とタイミングで。

でもね、本当に大切なのはその後でどう生きるか。

彼を見ていて、そう思ったのです。