一本のお芝居には様々な役割の人がいます。
実際にお客さんの前に立つ役者さん。
作品作りの中心になる演出家。
本番中の進行を司る舞台監督。
照明、音響、衣装、制作などなど。
作品作りはひと昔前までは「劇団」が中心でした。
演出家や俳優さんなどは劇団に所属。
技術スタッフは劇団所属の場合もあるし、外部スタッフを雇うこともありました。
最近ではプロデューサーや演出家が中心になって企画を進め、作品ごとに俳優やスタッフを集めて公演を作る「プロデュース公演」と呼ばれる形も一般的になりました。
技術スタッフは劇団や演出家、プロデューサーからお仕事の依頼がきます。
なのでいろいな劇団や演出家さんの作品に関われるのです。
いま関わっている作品ではぼくは本番オペレーターという本番中の照明操作を担当しています。
本番付きのスタッフはスケジュールなどの都合でしょっちゅう入れ替わります。
本番についていると舞台監督さんや演出部さん、音響さんなど、他セクションのスタッフと仲良くなることも多いです。
ツアーに出ると長い時間を過ごしますし、一緒に食事する機会などもあります。
東京でも作品の立ち上げではスタッフ同士で相談することもたくさんあるので、コミュニケーションを取る機会が増えます。
けれども、いちど一緒に本番についてもその後全然会わない人もいます。
今回、一緒に本番に付く音響さんも確か8年ぶりくらい。
顔を合わせて挨拶して
「前に〇〇(劇団名)でご一緒しましたよね」と
確認しあったあとでなぜかふたりとも半笑いに。
作品ごとにいろいろな思い出やイメージがあります。
一緒に本番についた人と会うと、その当時の感覚が蘇ります。
そして当事者にしか分からない雰囲気が。
立ち上げまでがとても大変な作品だと、
「あの時は大変でしたよねー」みたいな雰囲気になります。
もちろん、
「あれ、楽しかったですよねー」
ということもありますし、
「ひどいめにあいましたねー」
というのもあります。
まあいろんなのがあるんですが、今回、ふたりで共有した感覚は半笑い。
なんで半笑いなのかは秘密。