たまたまだけどふたりの芸人さんについての記事を続けざまに見た。
共通するのは「なぜ」そういう生き方を選んだのかという問いかけが全く意味をなさない人生を生きていること。
何に対しても「なぜ」に捕らわれてしまうぼくたちとは、まるで違う次元を生きてるみたいだ。
世間的には評価されようのない生き方を貫いて初めて、無意味が裏返る。
感動とか尊敬とか、そんな言葉の向こう側をガツンと鮮やかに見せつけられる。
それが芸人という存在の本当の強さなんだろうけど。
テントさんについてはまるで知らなくて。
この記事自体がよくできたフィクションなんじゃないかって疑ってしまうくらいの突き抜けっぷり。
「芸を見せてお金を取る」のが芸人なんだろうけど、自分のためだけに芸を突き詰める生き方は天才とキチガイのはざま。
職業意識とかプロ意識みたいな現実に規定されたものじゃないプライド。
ギリヤークさんについては噂は聞いているけどまだ拝見したことはない。
芸をすることと生きることが完全に一致している。
芸は芸として楽しみたいし評価したい。そこに人生をのっけられても困る。
正直、ぼくはそう思っているけど、そんな外からの見え方なんて関係ないんだろうなあ。この人にとっては。
いつか見てみたいけどチャンスがあるのかどうか。
そういえば首たりパフォーマーの首くくり栲象さんも、10年ほど見たいと思っていたけど機会がないままにお亡くなりに。
見たいと心が動いたときに見ておけばよかった。
人生で何度か価値観がひっくり返ったことがある。
最初は大学を中退したこと。
入学したときには中退なんて絶対できないと思ってた。
よく考えるとできない理由なんてなかったんだけど。
大学にいる意味も見失ってたし、次に行きたい場所も見つけていた。
それは明らかに世の中からのドロップアウトだったんだけど、いざドロップしてみるとそれはそれで清々しかった気がする。
その次は帆船で航海したこと。
自分が知っている世界のなかで上を目指していたけど、世界はもっと広いって身をもってしることができた。
広さだけじゃなくてその多様さにも。
自分の物差しは絶対じゃない。むしろいろんな物差しを知るほうが絶対に世界は楽しい。
だからいまでもフラフラしながら生きている。
決まりきった毎日なんてウンザリだ。