肩書のわかりづらい人、西村佳哲さんが、年末に開催されるインタビューのワークショップについてTwitterでつぶやかれてました。
年末の「インタビューのワークショップ」あと少し集まるといいな。人の話をきくことと、自分の話をすることを、時間をかけて味わい直してみたいひと。いたらどうぞ。 https://t.co/WhXAAks9c0
— 西村 佳哲 (@lwnish) December 1, 2018
2014年の年末にぼくはこのワークショップに参加しました。
そのことについて少し書いてみます。
インタビューのワークショップと言っても、インタビューの具体的なスキルを学ぶ場ではありません。
ライターさんなど職業としてインタビューをする人のほうが少ないくらいです。
このワークショップは「人の話をきく」 力を身につけることが目的です。
プログラムの中で、参加者同士がインタビューをして、終わった後で録音を聞きながらお互いがインタビュー中に思っていてたことや感じたことを共有するというものがありました。
その結果、ぼくは自分が向き合っている相手の話をキチンと聞いていなかったことを思い知らされたのでした。
ここ何年か、ぼくは日本という国が少しずつ少しずつ錆びつき初めている気がしています。
(多分、世界中がそうなんだろうけど、ぼくが実感できるのは日本のことだけなので)
その理由のひとつには、人の話をきけない人が増えたからじゃないかと感じるのです。
あらゆる場所で。
優秀な人だからできないこともあるのです。
正しい人だから。強い人だから。
あるいは思いやりにあふれた人だからできないことも。
眼の前の相手の声を、先入観や思い込みなしにきくこと、相手の心に寄り添ってきくこと。
それはとても繊細で、集中力が必要で、エネルギーを使うのです。
簡単なようでいてとてつもなく難しい「きく」こと。
できるだけたくさんの人にそのことを考えてもらいたい。
いまの他者との関わり方が本当に充分なのか疑って欲しい。
強い人や正しい人。コミュニケーションが得意だと思っている人。
あなたは本当に目の前の人と同じ風景を見ていますか?
このワークショップで感じたことはぼくのコミュニケーションの基準点になりました。
ここから始まってどこへどれだけ離れるか。ズレてしまったのか。
人と関わるための基準がひとつ生まれたことで、漠然としかとらえられなかったコミュニケーションという靄を、ずいぶんハッキリ観られるようになった気がします。
基準点を見直すために、ぼくもそろそろ参加したいと思っていたのですが今年はスケジュールの都合でできませんでした。
コミュニケーションについて悩んでいるかた、仕事のなかで他人ともっと寄り添いたいかた、関わりを大切に暮らしたいかた。
そんな人にはきっと実りの多い時間になると思います。
https://www.livingworld.net/megamiyama_winter/