英語のリスニング向上を目指して「白い嵐」という映画を英語字幕で見てみようと思い立ちました。
といってもまだそんなに回数見てないのですが。
ちなみに「白い嵐」はこんな内容です。
これまでも何度か見返してきた作品ですが、改めて何度も見ているといろいろと気になるシーンが出てきます。
せっかくなので、見返すたびにそのときに心に引っかかったシーンやセリフのことを書いてみようかと。
The sound of an empty ship.
今回、心に残ったのはこのセリフ。
クルーの少年たちが上陸して、山に登ってメッセージを書いたノートを埋めるというシーンの後、船に残っているキャプテンに奥さんが話しかけます。
「あなたは上陸しないの」
それに対しての答えは
「君には聞こえる?」
奥さんは聞き返します
「なにが?」
それに対しての答えがこのセリフです。
「誰もいない船の音を」
帆船で暮らしていたころがありまりした。
と言っても、職業船員ではありません。
それでも一年のうちで2,3ヶ月は帆船で暮らしていました。
そこそこ大きな船だったので、普段は30人ほどのゲストと10人ほどのクルーで航海していました。
客船ではないので部屋は大部屋。プライベートスペースはベッド一個。
いつも身近に誰かの気配があって。笑い声が絶えなくて。
そんな環境がキライではないのですが、例えば船が陸についてみんなが出かけてしまったりとか、沖にアンカーしてみんなはボートで上陸した時。
たまたまそんな船に2,3人だけ残ることがあります。
そんな空っぽの船のことが、実はぼくも大好きだったのです。
だからキャプテンの「The sound of an empty ship」という言葉が心に残ったのです。
いつも誰かがいた食堂やデッキから人影がなくなり、普段賑やかな船から人の気配が消える。船は泊まっているので働くクルーの姿も見えない。
帆船という非日常な乗り物の非日常な時間。
普段とはまるで違って見える空間。
よく知っている場所、さっきまではいつも通りだったのが、ただ人がいなくなっただけでまるで違う横顔を見せる。
「empty ship」 がかもし出す不思議な時間。
ほんの少しだけいつもとは違う空間で過ごすことは、ぼくには特別に贅沢な時間だって感じられたのです。