演劇界的にはそこそこ有名な劇団とか演出家さんともお仕事している。
自分に直接仕事が降りてきているのではなく、他の照明デザイナーさんからオファーを受けて、本番メンバーの一員として関わるのがほとんど。
照明業界外のひとから、そういう大きな作品に関わっていることを評価されることもあるんだけど、すごいのはぼくじゃなくてぼくに仕事を振ってくれる人がすごいだけだから。
20代から演劇業界に頭までどっぷりと浸かって30年位経ってみて、半身浴くらいまで浸かり具合を変えてみた。
理由はいろいろなんだけど、まあ走り続けるのに疲れたことと少し飽きちゃったから。
その分収入はかなり減ってしまってるんだけど、頑張りたくない、無理したくないってほざいているにもかかわらず、ちゃんとした仕事のオファーをしてくれる物好きなクライアントさんもなぜかいて。
おかげで、収入と舞台照明業界の最先端に食らいつかないとならないチャンスが与えられてるのは感謝しかない。
照明業界のトップで生きていきたい気概ももうないのだけど、それでも場が与えられてしまったら、周りに迷惑をかけないためにやりきるしかなくて。
けれど、ずっとそういう働かきたをしていくのかと言われればそんなことはない。
多分、自分にピッタリの立ち位置をいま探していて。
理想がキッチリと描けているわけでなくて、なにをどうしていいのかわからないまま手探りで進んでいる。
でも舞台はいまでも大好きで、これからもそこで暮らしていけるのなら暮らしたいのは本音。
現場で魂をすり減らしながら働くのに慣れてしまった。
めんどくさい人だな。