てがみ書店というサービスをリリースします。
書店という名前ですが扱う商品は書籍ではなく、好きな本への愛情を綴った「てがみ」というなんだかよくわからないお店。
サービスの内容だけだとよく分からいひとも多いのではと思い、てがみ書店をスタートするまでに起こったことや考えたことについて書いてみようと思いました。
てがみ書店が生まれたのは、下北沢に「BOOKSHOP TRAVELLER」という場所があったからです。
BOOKSHOP TRAVELLERは「本屋のアンテナショップ」というコンセプト。
カフェの奥に細長いスペースあって、本棚をワンブロックから本屋をやりたい人に貸し出すというちょっと面白いスペースです。
ぼくは舞台関係の仕事をしていて、どちらかというと「後に残らないもの」をクリエイトすることに喜びを感じていまうタイプ
時間と空間を共有したひとしか味わうことのできない「ライブ」の感覚が大好き。
なので「モノを売る」ことには興味がなかったし、実際にアルバイトも含めて物販はやったことがありません。
またフリーランスで仕事をしていて、数日から数ヶ月の単位で、いつも違う劇場、違う団体を渡り歩いて働くことが好きで、ひとところに腰をすえてじっくりと暮らすのも、どちらかというと苦手なのです。
20代の頃からそんな暮らしを30年ほど続けてきたのですが、どこか心境の変化があったのかもしれません。
去年一年間、国立の「つくし文具店」を拠点にデザインについて考える「ちいさなデザイン教室」に参加しました。
月に一度、つくし文具店のお店番をすることと引き換えに、デザインや文具、プロダクトや地域などについて考えるコミュニティーに参加できるというプロジェクトでした。
そんな感じで少し興味の対象が変わってきたタイミングで「BOOKSHOP TRAVELLER」と出会いました。
BOOKSHOP TRAVELLER店主の和氣さんとは5年位まえから知り合いでした。
最初にお会いしたときは「本屋が好き」とは言うものの本や書店とは関係のない一般企業にお勤めだったのですが、気がついたら退職→本好きコミュニティーの運営→著書出版(東京わざわざ行きたい街の本屋さん)とあっという間に「本屋好き」を仕事にしていき感心していました。
そんな和氣さんのフェィスブックに去年の秋くらいからやたらと「下北沢で本棚作ってます」という記事がアップされるようになり、なにやってるんだろうなあと思っていたら、BOOKSHOP TRAVELLERという面白いスペースがオープンしたのです。
どんな場所なのか気になったのでオープンからしばらくして実際に足を運んでみました。
下北沢西口から歩いてすぐ。
狭い路地の奥にあるカフェスペースのさらに裏にあるわかりにくくてたどり着きにくい場所。
そこがBOOKSHOP TRAVELLERでした。
細長いスペースの両側は一面の本棚で、本棚には本がビッシリ。
棚の一区画がそれぞれひとつの本屋さんになっています。
実店舗を持っている書店や地方の書店のアンテナショップ。
webを中心にやっているお店の小さなリアルスペース。
そして他の仕事をしながらいつか本屋をやりたいと夢見る人の夢の入り口。
本に囲まれた隠れ家のようなその場所にぼくはひと目で心奪われて、その場で
「ぼくも借ります!」と宣言してしまったのです。
まるで恋に落ちるみたいに。
〈オープニングイベント開催します!〉