海と劇場、ときどき本棚

2018年の7月に爆誕した何をするのかを模索しつづける会社「ひとにまかせて」代表のブログです

なんども繰り返しますが帆船マニアではありません

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去年の11月に開催した帆船の航海イベント「海と物語#001」に20年くらい前に知り合った女の子がきてくれました。

いや、まあ、いまでは旦那さんもいるし女の子ではなくて素敵な女性ですが。

最近では直接連絡を取ることもほとんどなかったのですが、こっそりとぼくのTwitterをフォローしていたみたいで、そこで告知をみてきてくれました。

まあ怪しいとは思っていたんですよね。

告知の翌日、まだなにも細かいことは発表されてないのに申し込みが来てて、そして名字は変わっているけどなんか見覚えのある名前だったし。

当日になって顔を合わせてやっぱりかーって納得しました。

多分、会ったのも10年ぶりくらい。

 

そんな感じで、船で知り合った人の中にはもう何年も、もしくは十数年も会ってないひとがたくさんいます。

じゃあその人達のことはもう思い出さないのかというとそんなこともないのです。

ただ、わざわざ連絡をとったりしない。

だけどなにかきっかけがあると集まったりすることがあります。

そして会わなかった時間なんてなかったみたいに話に花が咲きます。

ぼくはそんな関係性をちょっと気に入ってたりします。

 

昨日、語学留学の同期生と打ち上げが終わって寮に帰ると、ラインにものすごく大量のポストがありました。

何かと思って見てみると、中高の同級生のライングルーブで、

「大石って同期に二人いたっけ?」という投稿をきっかけに、

誰々は何人いたという話題が異様な盛り上がりを見せてました。

途中から元の質問とは関係なく、

井上はふたり、佐藤もふたりでひとりは水泳部、藤田は何人?、

みたいな感じで話が進んでました。

この話題、実は定期的に出てくるんです。

うちの学校はひと学年の人数が少ない上に中高一貫なのでわりと全員がつながりがあるのですが、6年いても絡みが少ない人もいるし、あまり目立たないタイプのひともいるので、「〇〇って名字は何人いたか?」はかなり盛り上がるトピックなのです。

(ちなみに「田中は3人」ってポストしようかと思ったけどタイミングを外したのでしませんでした)

 

この「同期」という関係性について、留学しているなかで少し気になりました。

なんで同期ってこんなに仲がいいんだろうって。

いやまあ仲がいいばかりではないとは思いますが、それでもお互いにとって特別な存在であり続けたりするんですよね。

学校関係の同期だと歳が近かったり、環境が似てたりもするので仲良くなるきっかけはたくさんあります。

けれど今回の語学留学では年齢も動機もバラバラなメンバーなのに、思ってたよりもずっと密度の高い時間を過ごせたような気がします。

 

実は留学中にふと、長い(10日以上の)セイルトレーニング航海と少し雰囲気が似ていると感じました。

おそらく、

・非日常のシチュエーション

・普段の生活から切り離されている

・それぞれの性格や考えとは別のところで、明確な当面の目標がある

・眼の前に果たさなくてはいけないタスクやミッションが提示される

・課題を達成するには、協力しあったほうがベター

みたいなところがとても似ていると感じたのでしょう。

 

以前から

「セイルトレーニングマニアですが帆船マニアではありません」と公言してきました。

明確な考えがあってではなくてかなり感覚的に言ってきたのですが、今回の留学のなかでこの言葉をもっとわかりやすく伝えるためのヒントを手に入れたような気がします。

というか、昨日のブログで酔っ払いながら軽く触れましたが、ぼくが好きなもの、誰かと共有したいと思うもののベースはどれも似ているのだということも気づきました。

 

帆船ではなくセイルトレーニング

演劇ではなく演劇製作

本ではなく本にまつわるコミュニティー

旅行ではなく冒険

 

これまで自分が好きなものを貫くキーワードは「非日常」だと思っていたのですが、なんとなくそれだけではうまく語れていない気がしていました。

いま、なんとなく感じているのはもうひとつ先のことなんじゃないかなあって。

まだうまく整理できていないのですが、

「非日常体験から生まれるコミュニケーション」

もしくは

「非日常体験からしか生まれないコミュニケーション」

非日常体験そのものはぼくにとってはその先につなげるために手段でしかないし、ある意味では取替可能なものなんじゃないか、そう思ったのです。

いままでいくつか企画して実行したなかで、しっくり来たものとこなかったもの、うまくワークしたものとしなかったものがあって、その違いがあまりよくわからなかったのですが、ぼくが提供したコンテンツがそこで完結していたか、その先に向かって開いていたかどうか、という見方をするとなんとなくいろんなことがしっくりする気がしています。

 

このブログのタイトルは「海と劇場、ときどき本棚」

名付けたときは自分が好きなもの、仕事にしていきたいものを並列に並べただけだと思っていました。

でもそうじゃなくて。

この一見バラバラな3つの言葉を貫く横串もぼくのなかにはある。

ここ一ヶ月で感じたそのことを今年はもう少しちゃんとした言葉にすることにトライしてみます。

そして昨年7月に旗揚げした弊社ですが、これからもそんなぼくが感じる素敵なものを、具体的なコンテンツやイベントとしてみなさんの目に届けていければとも思っています。

もう二月になっていまさらですが、今年もよろしくお願いします。

 

タイトル写真はイベントに来てくれた古い知り合いの女性から

「若い頃はカッコよかった」発言があったで若い頃の写真をアップしました。

大西洋横断中の32歳の写真です。

わりと「オタクっぽい」って不評なんですが、どうなんですかね?

あと旦那さんの前でカッコよかったって言われるとドキドキするので辞めてください。

当時もマジでなにもありませんでしたから。