毎日、宿題で10個ぐらい短い英作文を作って授業で添削してもらってます。
先週は「f」が読めないと言われて、今日は「t」が見にくいと指摘されました。
えっと、英作文関係ないですよね。
作文は和文英訳ではなくて、その日のグラマーテキストの例文から好きな単語を選び自分で文を作ります。
毎日やってると前のと似たような文章が続いてしまうこともあるのですが、そうなるとつまらないのでいろいろと面白い文章を考えてます。
(エネルギー注ぐとこそこじゃない気もしますが…)
その一環として、一日ひとつは「beer」の出てくる文を作るようにもしてます。
今日のbeer、お題の単語はinstead。
I want to drink beers instead of water in such humid day.
(こんな暑い日は水の代わりにビールを飲みたいなあ)
今日からぼくのクラスの担当になったRay(♂)に添削してもらったあとにちょっと雑談。
フィリピンでは女性はあまりお酒を飲まないそうで、そのせいか今まで担当だった2人の女性講師はbeerをテーマにした文章を書いてもあまり話が続かなかったのですが、Rayは話を膨らませてきます。
「日本にいるときは毎日飲んでたけど、こっちではまだビール飲んでないんだよね」
「なんで」
「勉強のじゃまになるかなと思って」
「そんなことないよ。ビールを飲むと記憶力が上がるんだよ」
「マジで!?」
「本当だよ。医学的にも証明されてるよ」
調べてみたらほんとにそういう記事が出てきました。
いくつかそういう研究成果が発表されてるみたいです。
よし、明日から大手を振って飲める!
(飲むとは言ってない)
さて日中過ごすことの多いダイニングルームのとなりにはEOPラウンジというスペースがあります。
EOPとは English Only Policy の略。この部屋では日本語が使えないことになってます。
日中は授業のない講師が休憩したりしていて、お願いすると雑談の相手をしてくれたりします。
今日、ここにきて2週間で初めてEOPラウンジに足を踏み入れました。
レッスンが始まる前、ここにいる一ヶ月の間にラウンジに行くことはないだろうなあと思っていました。
基本的には人見知りだし、ましてや英会話力にはものすごく不安を抱えていて。
レッスンで話をするならまだしも、英語で雑談するなんでできないと思っていたのです。
特に考えが変わったわけではなく、英会話に自信がついたわけでもなく。
まして、勉強のために無理にがんばって入ったわけでもありません。
たまたま、空いたていた時間に廊下を歩いていたら、最初の週にスピーキングクラスの講師で話しやすかったVJがひとりでラウンジでスマホをいじっているのを見つけて。
そしたらたまたま顔をあげた彼女と目が合ってあいさつして。
そのまま当たり前のようにラウンジのドアを開けたのです。
ランチタイムまでの30分。
彼女とあとから入ってきた他の講師と、ぼくは普通に会話しました。
VJとはレッスンでたくさん話しをしました。
日本のアニメやカルチャーに興味があることも知っていたので、話題には困りませんでした。
話題のひとつは日本の着物。
「女の子が着る着物の袖、大きすぎない。物入れたりするの?」
「物は入れない。結婚する前の女の子は大きな袖のついたのを着て、結婚すると小さな袖の着物を着る」
「へえー」
「大きなのは振り袖っていって英語だとshaking sleeveって意味、小さいのは留め袖っていって英語だとstopped sleeveって意味」
「shakingってじゃあパタパタ振りながら歩いたりするの」
「いやいや、振らない。ただそういう名前なだけで」
また日本文化について適当なことを教えてしまった気がする…
レッスン以外の時間に、講師と普通にヒマつぶしに会話できたのは、意外な展開でした。
英語がうまくなって会話するハードルが下がったわけではありません。
たかが2週間でそんなにうまくなんてならないし。
多分、会話することへのハードルよりも、VJへの興味や彼女ともっと話したいという気持ちのほうが強かった、そういうことなんだと思います。
英語を学ぶなかで、コミュニケーションの根本ってなんだろうと考えることが増えました。
言葉が通じない環境に身を置いているから、かえって本質について考える機会は増えるのかもしれません。
日本にいるときは、フィリピンでこんなことを考えるなんて思ってもいなかったのですが。
「言葉」というツールを磨くことはとても大切です。それは間違いのないこと。
だけどそれだけではなくて。
眼の前の相手に興味をもつこと。
相手の言葉をきくこと。
気持ちを伝えようとすること。
コミュニケーションの本質は世界のどこでも変わらない。
その気持を持ち続けるために、ぼくは英語を学んでいる。
その軸はきっとブレない。